アガサ・クリスティ「ひらいたトランプ」の感想!


アガサ・クリスティの名探偵ポアロシリーズ「ひらいたトランプ」を読んだので、感想を書いてみます。

「ひらいたトランプ」は、クリスティ作品の中では、異色作という印象でした。どのへんが異色なのかとか、気になる結末はどうなるのかなど、ネタバレしない程度に紹介してみます。

「ひらいたトランプ」を読もうと思ったきっかけ

ひらいたトランプを読もうと思ったきっかけは、特にありません。読んだことがなかったからです。専門書などと違い、ミステリー小説を読むのは、読んだことがないからであり、同時に、犯人が誰かを知りたいというよりも、意外な結末につながる面白さを得たいという理由からです。

400ページに満たない厚さ

それと、比較的ページ数が少ないというのも選んだ理由になります。ハヤカワ文庫で、396ページですから、それほど分厚くありません。

僕としては、長編小説を読むにあたり、400ページに満たないのは、読みやすい印象があります。

「ひらいたトランプ」は登場人物が少ない!

ひらいたトランプを読んだ感想ですが、まず登場人物が少なかったです。クリスティの作品は、登場人物が多く、それぞれの人物が持つ背景などが事件と関連性があるパターンが多いのですが、「ひらいたトランプ」は、ポアロと刑事も入れて10名です。

殺人事件は、あるパーティではじまったブリッジゲームの最中に置きます。ブリッジは、4人1組で、2組8名で行われました。

ひとつの組のメンバーが見えている場所で殺人が行われたのです。

パーティの招待主は、ブリッジには参加せず、何者かに殺害されてしまいます。

なお、招待主を除くと9名ですが、1人は、ブリッジ参加メンバーの友人で、パーティには招待されていません。

そうして、物語は、9名の人物だけで動いていきます。

パーティーに招待された人物はみな前科者?

被害者が招待したパーティの参加者は、みな過去に誰かを殺害した前科があるというのです。それを暴くがためにポアロと刑事も招待しているのです。

物語が進むに連れ、それぞれの人物の過去がわかってきて、それが今回の事件とどう絡んでくるのかが、読んでいて興味深い内容でした。

ポアロがほとんど捜査をしない?

ひらいたトランプの特徴として、ポアロがほとんど捜査らしきことをしない点にあります。

というのは、事件の解決には、ブリッジに参加していたメンバーが、各自疑わしいと思う人物を会いに行き、話を聞くというもので進行していくためです。

いつ、ポアロが出てきて、名推理を披露するのかと思いきや、最後の最後に少しだけというわけです。

事件の鍵となる証拠などもブリッジのメンバーが見つけてしまいます。

「ひらいたトランプ」の面白みは?

とはいえ、クリスティは、見事に意外な犯人を設定しています。疑わしい人物は、4人だけなのに、それでも真犯人が明かされると「なるほど」と驚嘆してしまいます。

そのへんの力量、テクニックはやはりクリスティならでは、と感じました。

ただ、いかんせん、日本人にとってトランプゲームのブリッジは、あまり馴染みがないのではないでしょうか?

細かいルールなどわからなくても、十分に楽しめますが、基礎知識としてブリッジがわかっているとさらに小説の面白さが増すのではないかと思いました。

「ひらいたトランプ」は、こんな方におすすめ

登場人物が個性的で、面白いです。とくにオリヴァ夫人は、見た目的にも愛すべき人物です。

ちなみに、オリヴァ夫人というのは、探偵小説家で、自身が小説を書くのにどれほど苦労しているかなどを話すシーンがあります。
これは、クリスティ自身が自分が反映させているのだと思いました。

人物のキャラがユニークで、そのあたりで楽しめる内容です。

こんな方には不向きかも?

ガチガチの論理で名探偵が推理していく本格ミステリーではないので、そういうのがお好みの方には不向きです。

まとめ

ひらいたトランプは、他のクリスティ作品と比べると、毛色が違う小説です。

ポアロが最後にちょこちょこと推理して、事件解決ですから。ポアロとしては楽な事件だったのではないでしょうか?

とはいえ、ポアロが全員を集めて事件の真相を話すミステリーお決まりのシーンもありますし、結末の意外性と最後のどんでん返しは、間違いなく面白いですよ。