クリスティの「鏡は横にひび割れて」の感想!テニスンの詩の引用が意味するものとは?


クリスティの小説「鏡は横にひび割れて」を読みました。以前にドラマでも放送されていましたが、日本が舞台ということでキャストも日本の俳優が演じていました。

探偵役というか警部が、沢村一樹さんでした。他にの黒木瞳さん、財前直見、川口春奈、古谷一行、津川雅彦さんとかが出演していました。

これはミス・マープルシリーズですので、かなり設定が違っています。そんなわけで今回「鏡は横にひび割れて」の原作を読みましたので、感想をまとめてみました♪

「鏡は横にひび割れて」は、どんな内容か?

「鏡は横にひび割れて」の舞台は、ミス・マープルが住むセントメアリーミード村。片田舎の町も時代の変化とともに、新興住宅地ができ、かなり様変わりしました。

そこへ大女優が引っ越してきて、記念祭のパーティが開かれます。そこに出席した地元の女性が、パーティ会場で毒殺されてしまいます。

大勢の人間がいた場所での殺人事件です。

ミス・マープルは、パーティに出席した人間やその関係者の証言から真犯人を突き止めていくという話です。

ちょっとしたことから、事件解決の糸口を見つけていくというマープルシリーズの醍醐味が味わえると思います。

鏡は横にひび割れてを読んだ感想

殺人事件は、全部で3つですが、単なる推理小説としてではなく、愛を感じる作品です。

家族愛、親子愛、夫婦愛についてさまざまな形が描かれており、そこも謎の解決に影響を与えています。

クリスティ自身、この作品を70代で書いたそうですが、そのへんもマープルさんに反映されているような気がしました。

年を取ることで、それまでと違う扱いを受けることへの一種の反抗のようなものが描かれているのも読んでいて面白い部分でした。

僕は、ドラマを観たことをすっかり忘れていて、途中で思い出してしまったのですが、それでも楽しんで読める作品です。

テニスンの詩が引用されている意味とは?

タイトルにも使われている「鏡は横にひび割れて」というのは、イギリスの詩人、アルフレッド・テニスンの詩です。

小説のいちばん最初に引用されています。

織物はとびちり、ひろがれり
鏡は横にひび割れぬ
「ああ、呪いがわが身に」と、
シャロット姫は叫べり。

とあります。

ここにある一節に喩えられるような表情を浮かべたというところから、何を見ていたのかを知ると、母性愛を感じられると思いました。

鏡は横にひび割れての本質とは?

人間がもつ、愛と絶望といった両極端さを描いていると思います。主人公である大女優をはじめ、登場人物の中にもそのような性格を持つものが描かれており、そこで犯罪を犯してしまった犯人がいるのかなと感じました。

こんな方におすすめ

ミステリーの謎解きの鋭い切れ味を味わうのなら、やはりポアロシリーズですが、ちょっとした言い回しや人間の持つ本質的な部分の変化などから推理していく物語が好きな人におすすめです。

人生について学ぶ部分もあると思います。

まとめ

「鏡は横にひび割れて」は、ややもすると話の展開がマンネリになりそうなストーリなのですが、殺人事件も3つあり、最後まで飽きさせずに読ませるところは、やはりクリスティです。

かなり熟練したミステリーだと思いますよ。