「アルジャーノンに花束を」の感想を書いてみた。

アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス 早川書房

タイトルに惹かれて以前から読みたいと思っていた本です。購入したのは、今年の前半でしたが。

冒頭から主人公の手記(経過報告)のような文体とひらがながやたらと多くて、ちょっと苦手意識がありましたが、読み始めるとそんなことは些末なことで、ぐいぐいとストーリーに惹き込まれていきました。

途中何度も考えさせられる場面もあり、読み終えたときには、率直に「すごかった」という感想です。

やはり名作と言われる作品です。

ちなみに日本ではテレビドラマにもなっていたようですが、見たこともないですし、放映されていたことも知りませんでした。

知的障害者が手術により、知能を高めるという内容ですが、作者のイメージ、創造力の凄さを感じました。知的障害者から見た世界、感じていたこと、そして天才になってから見えてきた世界と感じたこと、さらには知能と感情のバランスが取れずに苦しむ姿など、非常にリアリティがあります。

どうやったら、こういうことを知ることができるのだろうか?
そんなふうに思いました。

理解できないこと知らないことというのは、そういうものがあるとわかれば、理解したい、知りたいと思うものです。その存在に気づかなければ、そのような欲求はわかないだろうと思います。

そして、それを理解したり、知るには、知能が高いということも必要になります。

知能が高くなることで知識が増え、それまで理解できなかったり、知らなかったことが、理解できるようになります。

ただ、それにより、それまで気づきもしなかったことなどいろいろなものが見えてくることがあります。

そこにはもしかしたら、そのまま知らなくても良かったことまでも知ってしまうこともあり、それによって悩んだり、苦しんだりすることにもなるのです。

この物語の本質はそこではないのかと思います。

知りたいという欲求がある一方で、知らない方が幸せかもしれないことがあるわけです。また、すべてを知ってしまうことで、それまで持っていたなにかをなくしてしまうこともあるのです。

後半からラストにかけては、一度、知ってしまってからは、たとえ元のように戻ったとしても、もはや以前の状態にはなりえないのだということも暗示されている気がします。

それにしてもラストの文章は、強烈に印象に残る文章だと思います。

「flowers for Algernon」

そうそうこの本は、SFってことになっているようですので、SFのカテゴリーに入れておきます。

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