エロチック街道 筒井康隆

エロチック街道 筒井康隆 新潮文庫

以前に筒井氏のロートレック荘事件を読み、その後にこのエロチック街道を読みました。

馬上で自慰行為に耽ってしまったりする「中隊長」にはじまり、最後の「エロチック街道」は、洞窟温泉に乗り、目的地に行くという幻想的は話だったり、途中には寝る方法とか冷水シャワーを浴びる方法とかナンセンスやパロディなどととにかく物語のバリエーションが豊富です。それぞれの物語は、これといってオチがないので、読後感はなんともいえません。オチがないために勝手に読者が想像してしまうのでしょう。実際、一つの物語を読んだあと、これって結局なんの話なのかということを考えさせられます。

また、筒井康隆という人の頭の中にはさまざまな言葉があり、それがきちんと整理されてしまわれている気がします。図書館のように整然と並ぶ言葉の棚から物語に沿った言葉を次々に選び、読者に見せつけているかのような気がします。そして、筒井氏が書く言葉には常に音がなっている気がしました。描写されるシーンが音と一体化しているので、すぐに状況移入できるところはさすがだと思いました。

決して分厚い本ではないのですが、読み終わるのに二週間くらいの時間がかかりました。

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