ナイン・ストーリーズ J.D.サリンジャー 

ナイン・ストーリーズ J.D.サリンジャー 新潮文庫 野崎 孝訳

はじめてサリンジャーの作品を読みました。おそすぎると言えば遅いのでしょうが・・・。

読み始めてすぐに感じたのは、とにかくカッコいいというのが印象です。なにがかっこいいかというか、まずタイトルです。タイトルが秀逸で、タイトルを見ただけでは、どんな内容の小説なのかということが容易に想像できないところがいいです。

また、文体も洗練されています。読んでいてその情景がまざまざと頭の中に映像して浮かんでくるのです。部屋の様子であるとか人物の表情であるとか、そういうシーンを描写している場面はもちろんですが、そうではない、たとえば、主人公の内面的な部分を書いてあるシーンにおいても、主人公がどんな表情をしているとかどんな格好をしながら、思考しているのかということが、自分の中で鮮明に浮かんでくるほどです。

ナイン・ストーリーズは、サリンジャーが自ら選出した9つの短編です。

9つの物語のどれも最後の結末、最後の一文を読んだ瞬間に、ミステリーの謎解きのようなすっきりさが残るわけではなく、むしろ、もやもや感というか頭がくらくらしてきそうなものが、どんどん脳内に広がっていく感じです。

物語の結末で、読者にそこから先どうなったのかと推理させる部分と同時にそこに至るまでになにが起きていたのかとあらためて考えさせられる部分があると思います。

おそらく、一度読んだだけでは理解できない部分もあるので、また再読したい本です。

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