緑衣の女 アーナルデュル・インドリダソン

緑衣の女 アーナルデュル・インドリダソン 創元推理文庫

近所の書店で、タイトルと表紙を見て、いわゆるジャケ買いした本です。本を買うときは、少なからず先行情報がインプットされています。大まかに〇〇の本といった感じで。ですから、そういう情報をあえて入れないで読んでみたいと思い、書店でパッと見で買いました。

感想については、暗くて重いです。どす~んと重いと言うよりは、ドヨンとした暗さです。(わかるかな?)

事件の発端となった人骨をしゃぶる子供のシーンから、その骨の身元を探っていくというのがメインストーリです。推理ではなく、主人公たちが事件を探っていき、真相を突き止めていくので、ドンデン返しとかトリックとかはないに等しいです。

家庭内暴力のシーンが克明に描かれていて、その暴力に怯える家族の描写が秀逸だと思いました。そのため、いい意味で読んでいて気分が滅入ってくるほどでした。また、エンディングでは、真相はもちろん解決されていくわけですが、事件が起きた遠い昔と事件を追いかけた結果としての今との時間的対比により、その間にある変化、埋めることのできない溝に何とも言えないやるせなさを感じさせられました。

物語の舞台であるアイスランドの耳慣れない地名や人名にやや戸惑いはあるものの、その辺は瑣末な部分と思い、こいつは主人公とかこれは部下の女性といった具合に、大体の役割だけ認識し、きちんと読むことはすっ飛ばして、読みました。(とにかく読みにくい人名が多いので)

物語は、戦争当時のアイスランドの家庭で起きた話と、主人公の家族との物語が、交錯し、進んでいきます。

内容はかなり重厚で、戦争当時のアイスランドで起きた息苦しさを感じる部分と、家族とか結婚、親子についてかんがえさせられるような物語でした。

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